信なくんば立たず

皆さんこんにちは!

This is the mark of a really admirable man: steadfastness in the face of trouble.
苦難の時に動揺しないこと。これが真に賞賛すべき卓越した人物の証拠である。

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン( Ludwig van Beethoven、ドイツの作曲家、ピアニスト)

私たちの社会秩序は、「信」の基に保たれている。それは、昔も今も変わりはしない。それ故、賢人たちはその大切さを守り実践してきた。その「信」についてビジネス界を中心にして考察してみたいと思う。

具体的な事例を挙げて述べてゆきたい。「信」を失うことになった事例を挙げて述べることにしよう。その方が「信」の大切さがはっきりするからである。

かつて起きた有名企業の事件を振り返ってみよう。古い話ではあるが、私とって印象深いのは日米で相前後して起きた事件でありその後、それに関連して法律ができたことでもある。

三菱自動車工業の例から始めよう。三菱自動車工業は、車の欠陥情報を隠蔽し、運輸省(現国土交通省)に届けなかった。1999年11月4日に運輸省(現国土交通省)が同社に立ち入り調査をした際、1998年12月1日から1999年11月3日までのユーザーからのクレーム情報が記載された同社の報告書の提出を求められながら、その報告(クレーム情報149件)をせずリコールに該当しない案件のみを提出して虚偽の報告をした。

また、2000年7月5日に行われた立ち入り調査でも、1999年11月1日から2000年6月30日までのクレーム情報を提出せず、リコールに該当しないもののみを提出した。同社は、顧客からのクレーム情報を社内の関係者のみが分かるように「秘匿」や「保留」を意味する「H」のマークを付けて分類していた。

このような隠蔽工作は、書類が残っている1977年から恒常的に社内ぐるみで行われてたという。これらの隠蔽工作の結果、人身事故を含めて6件の事故が起きている。また、2003年に三菱自動車工業から分社した、三菱ふそうトラック・バスでは、2004年8月8日の国土交通省に車輪の脱輪に関して過去2年間と同じ説明である「原因は、ユーザーの整備不良」とし、企業責任はないとしていた。

しかし、最終的には、各種の矛盾点をつかれ「製造者責任」を認めるに至った。

この事件で三菱自動車工業、三菱ふそうトラック・バスは、世間の信頼を失い存亡の危機に立たされることとなった。

ここで、目を米国に向けてみよう。日本は、米国の後を追うといわれている故に。

米国では、エンロンやワールドコム等の粉飾詐欺事件を受けて制定された企業改革法「Sarbense Oxley Act, サーベンス・オクスレー法」(通称SOX法)がある。

この法律によって、上場企業は、外部の公正な第三者による内部監査が義務付けられた。さらに最高経営責任者(CEO)と最高財務責任者(CFO)は、公表した決算内容に誤りや虚偽がないこと、内部統制と手続きが適正に行われていることの宣誓書を米国証券取引委員会(SEC)に提出することが義務づけられた。

日本においても、不正や謝りを防止する仕組みが十分ではない上場企業が多いことが明らかになり、2006年6月7日、金融商品取引法が成立し、新たな内部統制のルールが規定された。これが「J-SOX(日本版SOX法)」と言われるもので、2008年4月1日以後に開始する事業年度から適用されることになった。

米国、日本でそれぞれ企業改革法とでも言われる法規制が誕生した。しかし、に米両国とも同様の事件は、なくなってはいない。もちろんある程度は、抑止力になり事件は起こりにくくなってはいるだろう。しかし、法規制が厳しくなればなるほど、企業のダイナミズムが失われていくことも間違いないことと確信する。

真に大切なのは、何かを考えてみてほしい。

先人は、私たちに教えている。それは、「信」である。言い換えれば、「信用」である。

信用なくして、何事も成り立たない。そして、この「信」とともに大切なのが「義」である。「義」(正しい道理)を欠いた「信」は、絶対に慎むべきである。

人は、”To Do Good”よりも ”To Be Good”がもっとも大切である。

まさに「信なくんば立たず」である。

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投稿者プロフィール

市村 修一
市村 修一
【略 歴】
茨城県生まれ。
明治大学政治経済学部卒業。
日米欧の企業、主に外資系企業でCFO、代表取締役社長を経験し、経営全般、経営戦略策定、人事、組織開発に深く関わる。その経験を活かし、激動の時代に卓越した人財の育成、組織開発の必要性が急務と痛感し独立。「創造・挑戦・変化」をキーワードに、日本企業、外資系企業と、幅広く人財・組織開発コンサルタントとして、特に、上級管理職育成、経営戦略策定、組織開発などの分野で研修、コンサルティング、講演活動等で活躍。

2005年11月、 約10年連れ添った最愛の妻をがんで5年間の闘病の後亡くす。長年実践研究を妻とともにしてきた「いきるとは?」「人間学」「レジリエンス」「グリーフケア」をさらに学際的に実践研究を推し進め、多数の素晴らしい成果が生まれてきた。
この成果を社会に還元し全ての人がIKIGAIをもって各自の人生を歩み、よりよい社会づくに貢献するために本事業を立ち上げる決意をする。

2021年4月20日 株式会社レジクスレイ設立 創業者兼CEOに就任

【専門領域】
●組織文化・風土改革  ●人材・組織開発、キャリア開発
●グローバル人財育成  ●異文化理解
●東洋哲学・思想(人間学、経営哲学、経営戦略) ●グリーフケア
●レジリエンス(精神的回復力)
【主な論文/プレス発表】
「仕事と脳力開発-挫折また挫折そして希望へ-」(城野経済研究所)
「英語教育と脳力開発-受験直前一ヶ月前の戦略・戦術」(城野経済研究所)
「国際派就職ガイド」(三修社)
「セミナーニュース(私立幼稚園を支援する)」(日本経営教育研究所)

研修・コンサルティング・講演実績

【主な研修実績】

グローバルビジネスコミュニケーションスキルアップ ●リーダーシップ ●コーチング●ファシリテーション ●ディベート ●プレゼンテーション ●問題解決
グローバルキャリアモデル構築と実践 ●キャリア・デザインセミナー ●創造性開発 ●情報収集分析 ●プロジェクトマネジメント研修他

※上記、いずれもファシリテーション型ワークショップを基本に実施

【主なコンサルティング実績】

年次経営計画の作成。コスト削減計画作成・実施。適正在庫水準のコントロール・指導を遂行。人事総務部門では、インセンティブプログラムの開発・実施、人事評価システムの考案。リストラクチャリングの実施。サプライチェーン部門では、そのプロセス及びコスト構造の改善。ERPの導入に際しては、プロジェクトリーダーを務め、導入期限内にその導入。組織全般の企業風土・文化の改革を行う。

【主な講演実績】

産業構造変革時代に求められる人材
外資系企業で働くということ
外資系企業へのアプローチ
異文化理解力
経営の志
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など