素読のすすめ

皆さんこんにちは!

You see, in life, lots of people know what to do, but few people actually do what they know. Knowing is not enough! You must take action.

人生において、多くの人が何をすべきかを知っているが、それを実際に行う人はほとんどいない。知っているだけでは不十分だ。行動を起こさなければならない。
アンソニー・ロビンズ(アメリカの自己啓発書作家、講演家)

今日は、「素読のすすめ」について述べる。

素読とはなにか

素読とは、文章の意味の解釈を一つ一つせずに書いてある文章を大きな声を出して読むことであるが、特に古典や漢文を声に出して何度もくりかえし読むことである。

素読の「素」には、白い、ありのまま、飾り気がない、生地のまま、はじめ、根本、などの意味がある。素読は、その漢字の「素」が意味するように、ありのまま、真っ白な心をもった立派な人間となるための根本的な素地づくり、根を養う。

素読は、江戸時代の寺小屋教育、藩校で、人づくりや道徳教育の方法のひとつとして行われ、明治の中頃までは盛んに続いていた。特に、素読の教材となったのは、中国の古典「四書五経」であった。

四書五経(ししょごきょう)は、儒教の経書の中で特に重要とされる四書と五経の総称。ただしこのうち『大学』『中庸』はもともと『礼記』の一章を独立させたものである。四書は「論語」「大学」「中庸」「孟子」、五経は「易経」「書経」「詩経」「礼記」「春秋」をいう。

吉田茂氏とマッカーサーとの対話

マッカーサー:「父から日本の将軍というのは非常に立派な人物が多いと聞いていたが、自分が接した昭和の時代の将軍というのはまるでなっていない。これはどういうことか。」

吉田  茂  :「明治の将軍は、『古典(四書五経)』により鍛えられていた。ところが、昭和の将軍は三代目で『古典』というものを顧みていない。其処の差である。」

素読と脳への効用

素読と脳への効用について簡単に述べる。

1.初めて文章を素読しているときには「前頭葉」に効く。

2.何度か読んで読み慣れた文章を素読しているきには「大脳辺縁系」に効く。

3.書いてある内容に想いをはせて素読しているときには「側頭頭頂接合部」に効く。

素読の効用

素読の効用に言及するに当たり、古典「四書五経」をおすすめする。特にその中でも「論語」は多くの経営者や著名人の心の支えや行動規範として長く愛され続けている。

・言葉の響きとリズムを反復・素読することによる、こころの言葉、精神の言葉の習得。

・人生の苦難辛苦に耐える力を養う。

・宇宙根源の生命力とのシンクロナイズ

・真に人徳と気骨のあるグローバル社会に必要な人財養成。

・外国語習得に応用し短期間で習得(外国語習得への応用は改めて投稿する)

素読の手順

1.場を整える(整理整頓、身体と呼吸を整える)

2.姿勢を正す(姿勢を正すことは、こころを正す:背筋を伸ばし腰骨を立てる)

3.腹の底から声を出して素読する

4.意味にとらわれない(読書百遍義自ら見る。読書百遍意自ら通ず。)

5.繰り返し素読する(習慣化する

何事も全身に身についてこそ、その価値がある。古典を読んで頭で理解しても行動がそのようになっていない場合が私たち現代人には多く見られる。頭で理解したことはあやふやで、いざというときに当てにならないし役に立たない。

素読の重要性は、言葉そのものの全体を繰り返し、繰り返し、自分の心に刻みつけておくことによりやがて深く根をおろし、生きた言葉に育っていく。

寺子屋の時代、素読が盛んでその教育を受けた人々が、明治維新の原動力になった。

素読サンプル音声

素読サンプル音声(論語學而第一の一部)をお聴きになれます。

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