親友の難病

皆さんこんにちは!

Security is mostly a superstition. It does not exist in nature, nor do the children of men as a whole experience it. Avoiding danger is no safer in the long run than outright exposure. Life is either a daring adventure, or nothing.

安全とは思いこみにすぎない場合が多いのです。現実には安全というものは存在せず、子供たちも、誰一人として安全とは言えません。危険を避けるのも、危険に身をさらすのと同じくらい危険なのです。人生は危険に満ちた冒険か、もしくは無か、そのどちらかを選ぶ以外にはありません。
ヘレン・アダムス・ケラー(Helen Adams Keller、アメリカの教育家、社会福祉活動家、著作家)

 大学時代からの友人で親友の一人が6年前から難病に冒されている。大学時代も社会人になってからも元気を絵に描いたような親友であった。人生何が起きるか分からない。

学生時代は、お互い四畳半程度のアパートで風呂無し住まいであった。当時の学生の標準的な住まいである。フォークソンググループ「南こうせつとかぐや姫」が歌った、「神田川」の世界である。

よく青春を語り、将来の夢を語り、悩みを相談しながら過ごした学生時代であった。大学を卒業してからは、彼は、日本の大手アパレルメーカーの営業職として長く勤務し、独立。私は、外資系企業と全く違った道を歩むことになったが、時々会って、仕事のことや様々なことを語り合う親友として続いている。

その親友が、6年前に難病になってしまったと聞いたときには、驚きと共に何で!という気持ちであった。

その難病は、「再発性多発軟骨炎 Relapsing Polychondritis: RP」というものである。

再発性多発軟骨炎(Relapsing Polychondritis: RP)は、耳介、鼻、喉頭気管などの軟骨に反復して炎症が生じる再発性進行性の稀な疾患である。喉頭気管の軟骨に障害を起こすと、死亡に繋がる。関節炎、眼病変、心血管病変などの合併もある。

発症する年齢は、多年齢層で見られ、多いのは40から60歳代であり、性差はないということである。現在、日本全国でこの難病の患者数は、400人から500人と推定されている。

この病気の原因は、不明であり、遺伝性はないとのことである。

この病気の症状は、炎症がおきる軟骨の部位によって異なり、耳介軟骨、鼻軟骨、眼球、皮膚では、当該部位が赤くはれ痛みを伴う。耳介および鼻軟骨炎が、長引くとその部位に変形が見られるようになる。

蝸牛・前庭障害がおきた場合には、難聴、めまい、ふらつき、吐き気などが症状として現れる。

また、気道の炎症では気道が狭くなるために、ゼイゼイ、ヒュウヒュウという呼吸音に呼吸困難が伴う。気道の炎症は、呼吸困難をおこし、最悪死に至る。

生存率は、1986年の112例の報告では、平均生存率は11年という報告である。5年生存率は、74%、10年生存率は、55%ですが、1998年には、合併症管理技術向上によって8年生存率が94%まで改善されたとの報告がある。

治療は、主に内科的治療が中心で、ステロイド剤による炎症の軽減を図ることが治療の中心的な役割である。

親友は、症状によって、週に3、4日程入院治療を受けているようである。この難病にかかってしまった親友には、うまく治療を受けながら、この先長く生きてもらいたいと切に願うばかりである。

参考ウェブサイト

難病情報センター
https://www.nanbyou.or.jp/entry/3856

大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫内科学
http://www.imed3.med.osaka-u.ac.jp/disease/d-immu05-3.html

順天堂大学医学部付属順天堂医院
https://www.juntendo.ac.jp/hospital/clinic/kogen/about/disease/kanja02_26.html

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