人生の道しるべ

皆さんこんにちは!

As my sufferings mounted I soon realized that there were two ways in which I could respond to my situation, either to react with bitterness or seek to transform the suffering into a creative force. I decided to follow the latter course.
苦しみが増すにつれ、私はこの状況に対処できる方法が2つあることに気付いた。苦しみに反抗するか、苦しみを創造的な力に変えるかだ。私は後者に従うことに決めた。

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(Martin Luther King, Jr.、アメリカのプロテスタントバプテスト派の牧師、キング牧師の名で知られる。)

20代半ばのころ、東京の大型書店で手にした伊藤 肇氏の著書で私の人生においての師父である安岡正篤先生のことを知った。大変心を引かれ、先生の著書等を拝読したが難しく理解がなかなか進まない日々が続いた。それは、まだ先生が存命中のことであった。

そんなおりに、全国師友協会のことを知り是非先生の謦咳に直接接したいと思い入会した。しかし、そのころ先生は、重い病のなかにあり、入会数ヶ月後に先生の訃報に接することとなった。深い悲しみと共に先生の謦咳に接することができなくなってしまったことに深い落胆を禁じ得なかった。

ある時、月刊・致知(致知出版社)に安岡正篤記念館 郷学研修所主催の「地方人材と郷学作興の研修会」の告知を知り、参加した。そこで、安岡先生の教えの一端に触れ、また、多くの道縁の方々と夜遅く(朝方)まで杯を傾けながら語り合い、先生の教えの素晴らしさを得ることができた。そして、郷学会に入会し様々な形で学ぶ機会に恵まれた。

それ以来、先生の著書を買い求め無我夢中で先生の書物を読み漁った。難しい箇所も多く、なかなか難儀をした。また、その後先生の講話選集(カセットテープ)が発刊され、数々の教えを先生の声を通して学ぶことができ、先生に直接教えをいただいているようであり大変感激であった。
今でも、先生の声を通して、その教えに導かれている。

その後、安岡先生のバックボーンになっている四書五経を学ぶと共に、安岡教学にも触れる会・素心会を立ち上げ、様々な分野の方々が集い学びを通して自己研鑽に励んできた。

この活動をしていく中で、安岡正篤先生のご子息である安岡正泰さんとの出会い、そして結婚数年後にマイホームを埼玉県所沢市に建て、前述した素心会の会場とし懇親会もここで行った。ある例会には、安岡正泰さんにお越しいただきお話を頂きまた、懇親会にもご参加いただき、ご子息から見た安岡正篤先生のお姿にも接することができた。

大変残念ながら、安岡正泰さんは、2021年他界された。生前のご指導を感謝するとともにご冥福をお祈りする。

2005年11月5日、約10年連れ添った妻を病で亡くした。約5年の闘病生活並びに看護であった。妻との結婚生活は、出会いが木鶏クラブ(致知出版社)ということもあり、お互いに人間学や安岡教学に関心を持ち、日々の生活のなかに先生の教えを実践すべく活かして来た。

結婚約5年目で妻は、卵巣ガン、子宮ガンを患い、手術や抗ガン剤等の治療のため入退院を繰り返した。病がわかったときは、お互い大変なショックであったが、安岡先生の教えや、多くの道縁の方々の支えがあり大変な病のなかにあっても心失うことなく生きて来た。

このような時期に、「百朝集」を夫婦揃って音読したりしながら心の支えにしてきた。妻は、抗ガン剤治療入院中に心の支えとして、「百朝集」を読みながらそのとき感じたことを、読んだ項の余白に書き記していた。その中の、一端を紹介する。
「百朝集」本文十二「處世」の項の余白には、次のように記されている。

「人によって人生で背負う重荷は違う。何歳の時に何があるかがその人の生きることの課題かもしれない。40代になって病という重荷と出逢う。悪しき出逢いの裏にきっと何か喜びや幸福があると信じて我が道を前に歩みたいものである。43歳の誕生日にて」「家康の家訓が心にしみてショックをうける。涙が出そうになるくらい、病が身にしみる。人生には、重荷があるから人が磨かれていくのだと思う。重い荷物も家族に一緒にしょってもらっているから山を乗り越えていけるのだと心より感謝に堪えない。」

私は、20代後半から外資系企業で仕事をしてきたが、また、今でも外国のスタートアップ支援の関わりの中で強く思うことは、安岡正篤先生の教えや先生を通じて出会った同縁の方々、書物は、私自身のこれまでの人生、そしてこれからも、まさに「一燈を提げて暗夜を行く」の言葉がしめすように人生の道しるべである。

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