グローバル社会を生きる~古教心を照らす、心古教を照らす~論語003

皆さんこんにちは!

The way to get started is to quit talking and begin doing.

何かを始めるためには、しゃべるのをやめて行動し始めなければならない。

ウォルト・ディズニー(Walt Disney、米国のエンターテイナー、プロデューサー、実業家。ミッキー・マウスの生みの親)

当シリーズは、グローバル社会にどう生きるかを、歴史の重みに耐えて今なおその普遍性を有する古典を紐解くことにより得ていく。

古典は、洋の東西あるが、まずは「論語」をシリーズとして取り上げ、今日は、その第3回。

論語爲政第二の十三に、次の章句がある。

この箇所の素読音声は、下記を再生してお聴き下さい。

意味は、君子のことを孔子におたずねした。先生(孔子)は、いわれた、「まず、その言おうとすることを行動に移しなさい。その後で、ものを言うことだ。」

・子貢:孔子の門人で孔子より31歳年少。姓は端木(たんぼく)、名は賜(し)、子貢はあざ名。

頭の回転が速く、聡明、雄弁で、外交に優れていた。孔門十哲(こうもんじってつ)のひとり。孔門十哲は、孔子の弟子の中でも最も優れた十人の弟子のこと。

・君子:徳の高い立派な人物。人格者。

子貢は、聡明で雄弁であるが、行動が伴わない弟子であった。その弟子の質問に孔子は、子貢の欠点(行動に移さない)を見極めて的確なアドバイスをした。

現代の私たちの周りを見ても、子貢のような人を見ることがある。会議をすれば立派な企画書を作成しプレゼンも弁舌さわやかで出席者を魅了する。しかし、そこから先の行動が伴わないのである。なんだかんだと理屈をつけては、先延ばし状態。企画の実行は、自分以外の者がするべきと思っているのではないかと思ってしまう。

私もそのような人を何人も見てきた。2020年2月末で過去3年ほど、ある事業の立ち上げに関わってきた。その事業の立ち上げで、その時点で過去1年半ほどは、毎週のようにミーティングをして、ビジネスモデルやその事業のミッションなども決め、何をしなければいけないのか、その役割分担(本人も了承)も決めて進めてきた。

しかし、そのメンバーの一人は、ミーティングでは結構立派なことを言っているのであるが、自分がやるべきタスクはいっこうに進まずであった。何かと理屈をつけて先延ばし、先延ばしで、自らは動こうとしなかった。結果、他のメンバーが彼のタスクをやることとなった。

彼は、過去にも同様なことがあり、メンバーが離れていった経緯がある。本人もメンバーが離れていくことは、自覚していることを自らの言葉で語っていたが、同じ行動の繰り返しであった。彼からは、メンバーが離れていった。

歴史の重みに耐えた古典には、現代に活きる教えがある。

連載続く

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市村 修一